utuboの雑soundcloud10年史
皆さんこんばんは。体調は大丈夫ですか。
「オモゐデ漁船 Advent Calendar 2021」12/10担当のutuboです。遅れてごめんなさい
去年は自分のitunesからランダム再生して聴いた曲をレビューする、という行為をしました。評判は知りませんが楽しかったです。(なぜか公式アカウントに紹介された)
今年も懲りずに無駄に量のある文章をお届けします。
pixivとかを何年も使っている絵描きさんが、古い作品をずっと残してあって、その人の絵柄や趣味の変遷が追える状態なのを眺めるのが好きなので、私も作った曲は極力soundcloudとかに残してあるのですが、その甲斐ありまして2022年でめでたくsoundcloudの最古の投稿(2012年4月30日)から10年が経ちます。わーい
そんなわけでちょっと早いんですが、投稿作の中から4~5曲に1曲雑に抜き出して、曲についてとか、当時の自分が何に影響されたかとか、どんな環境でやっていたかとかを文字で雑に振り返っていこうと思うので雑に読んでいってください。
- 3 (20120430)
- SWAKO (20120430) +α
- BLOCK (20120527)
- 1 to 2 (20120702)
- 60DTM2 (20140717)
- ututu (20150529)
- orthodoxy (20160620) +α
- ill room (20170512)
- Withering (20180201)
- 11 in the ◇(utub◇ remix)(20180520)
- delivaa woomii (20190123)
- Noctureverb (20200402)
- bibital orbital (20201104)
- mgwsan_OP_ED (20211123)
3 (20120430)
ピアノフレーズ一本で押し通すドラムンベース。二種類のドラムパターンをスイッチして使ったり、フレーズ毎に音を増やしたり変えたりして、旋律的な知識がまだ浅い時期だけど展開を増やす努力はしている。リトリガーとかゲートみたいなエフェクトが聴こえるけど全部手打ち。
すぐにウォーターランドみたいなフレーズを書いてしまうっていうツイートをしたことがあるんですが、10年前からこの癖があったみたいですね。兄がピアノで弾きまくってたのを聴きまくっていた影響です。私も真似して弾いたりしていました。
ドとソを介して作るフレーズはベースや後半で被さるウワモノにも聴こえます。ちゃんと応用が効くことが分かっていたみたいです。こっから「間にファを挟むと」とか「レをどこかに入れるとかっこいい」とか気づいていったのでしょう。
この時はまだrytmixというツールを使っています。ギルティギアとかのアークシステムワークスが作ったDSiウェアで、エンベロープすらないロンプラーとフレーズのエディタとそのフレーズを並べるシーケンサがあるっていうシンプルな構成のソフトでした。この曲が投稿としては一番古いんですが、作ったの自体は一、二年前とかだと思うし、5曲ぐらいまとめて上げたらしいので今となっては正確な時系列が分かりません。
SWAKO (20120430) +α
実はやっていた東方アレンジ。これはネイティブフェイスと重いキックを早い三連符に乗せたアレンジで、蛙っぽさを出そうとしている。リハモとか構成のアレンジとかがまだ出来なかったので素直に原曲通りの展開を見せている。
スネアが迫真すぎる、多分クラッシュシンバルを使ってる。和音のいじり方がわからなくてほぼほぼアルペジオ。この時点で3,4年くらい耳コピとかアレンジを作りまくって遊んでいたから、メロディーやコードのコピーそのものはある程度自信がついてたと思う。
そうです 耳コピとかアレンジをバンドブラザーズDXでずっと作っていました。それがutubo作曲史の一番最初です。作曲始めるなら耳コピから、という言説がありがちですが、私もそう思います。自分にとって何がいい音かを説明できるようになれるのが大事だと思います
だいたいの聴くも無惨なやつはROMに眠らせていますが、終盤に作った聴いてて微妙な顔になるような何曲かは録音してあるので、読んでくれてる方にだけ少しお聴かせします
カービィのエアライドのウエライド光
ドロッチェ団の後半の方のステージ
BLOCK (20120527)
GBAのブロック崩しゲームのBGMの耳コピ半分アレンジ半分。原曲(マジでYouTubeなんでもある)を記憶の中から引っ張り出して、自分ならこうしたい、と思った箇所に所々脚色を加えている。原曲に別段惹き込まれるような魅力が、というわけでもなく、数年前に遊んでいたゲームを懐かしむ気持ちだけで作り上げたレアめの作品。
今明かされる衝撃の事実ですが、当時辛うじてライン録音の方法を覚えたものの、何をすれば自然なフェードアウト処理ができるのかよく知らず、DSiの音量ボタンをちょっとずつ下げることで対処していました。かわいいね
関係ないけど友達とPSのアルカノイドやってるだけで死ぬ程大はしゃぎできた小学生の時の記憶は本当に思い出なのかとよく疑ってしまう
1 to 2 (20120702)
エレピと矩形波でお送りするゆったりハウス。バンブラに入ってたエレクトリックピアノはFM!!!!!みたいな倍音がよく効いてるやつで、エレピってそういうものかと思っていたけど、KORG M01にはこんなソフトな音の素敵なエレピが入ってて、やるやん君…って感じでした。
当時の自分にしては洒落たコード進行するじゃないの、という曲ですが、ヨシタカハードルネッサンスでやりがちな上昇クリシェの真似がやけに上手く行った結果です。この辺りからメロディーって結構書けるな、という気づきがあったような記憶がある
1 to 2はBPMが122なことから。当時入り浸っていた某創作譜面界隈にいた人の名前に因みました。122BPMの曲ってないんかなーみたいなことを彼がこぼしていたのが作ったきっかけだったような気がする。今じゃ考えられんフッ軽加減ですよ
そうです。rytmixの次はKORG M01でした。rytmixより音色に幅があって、DAWよりとっつきやすいやつ…みたいな理由で選びました。けど保存曲数が少ない。今でもプラグイン版M1は私のLogicの中でもトップクラスの使用率を誇っています。
60DTM2 (20140717)
ドラムソロから始めてベースとアコギ、パッド、バイオリンが順番に乗っかっていく短い曲。どんなとは言いにくいけどゲーム音楽感がある。多分ちょっと荒廃したステージ。
深夜の2時間DTMが2時間じゃなくて60分だった頃に、「バイオリンを使った曲」というお題に合わせて出したやつ。楽器がいつもよりアコースティックなのはそれに合わせたからだと思う。
うっすいパッドがあると良いとか、ディケイの速いベースが好きだとか、ギター弾けないけど音置いてけば割と聴けるなとか、確信はしてないけどもしかして…?ぐらいに感じることが多くあった曲。肝心のバイオリンにはそんなに思うところはなかった。
コード進行は当時SOUND OF GIALLARHORNのやつが好きだったので真似しました。暗い和音の流れにチラッと明るい和音が挟まっているのが大変エモーショナル。コード分からんけどメロディーに合わせてよしなに書いてけばなんとかなるでしょ…だったのが、この頃からコード分からんけどこの曲のここが好きで、あの曲にも似たようなのが使われてて、ほんでこう書いたら真似できて…ぐらいに変わっていったと思います
オリジナルでマイナーキー作ったの実は初めて。今でも滅多に作らない。なぜかメジャーキーの方が作りやすい。
ututu (20150529)
サイン波への愛を込めまくった眠そうなエレクトロニカ。エレクトロニカのくせにちょっとブレイクしてビルドアップしてるのが生意気(?)。I→IVのループを基調にしつつ最後の2ループでクリシェ下降にして切なくしてくるのも生意気(?)。
マジ子供の時に一度聴いた無印どうぶつの森の21時のBGMが脳味噌に引っかかっていたので掻き出した感じの曲です。21時になったら\寝ろ/って言われてた自分にとってはレアな事象だったのです。最後の思い出は友達の村に遊びに行ったら上手く帰れなくなってハニワ顔にされたことです。あとこのゲームのせいで虫の羽音がめちゃくちゃ嫌いになりました
それに加えて深夜の2時間DTMの参加作品でした。12回目の「太陽をイメージした曲」というお題。陽の光で眠くなって夢うつつな気分を再現しました、という訳でututuというタイトルにしたはず。アンビエント味の作品は結構作ってて似たような名前を付けています。プレイリストもあるので聴いてみてね
orthodoxy (20160620) +α
ここに来て4つ打ちハードコア。曲名通りオーソドックスにやっているのであまり書くことがない。ブレイクが無駄に長い・サンプリングが乏しいぐらい。
ここに来てなのは、偽名で曲を出す機会があったので普段書かない曲ならバレないかな、という理由。普段の作風なんかあってないような感じだったし、なんなら速い4つ打ちは過去に何回か作ってる。
ここでやっとLogic Pro Xが出てきます(これは2か3作目)。DAWは多機能すぎて何したら良いのか分からず挫折する、みたいなのを何度か繰り返したので、腰を据えてLogicのマニュアルでシンセの構成とか勉強してました。使ったのはほぼ付属シンセで、あとDexed(フリー音源)とKairatune(フリー音源)とアーメンブレイクっていういかにもDTM初心者な編成。
これは別の所で使ったけどどこにも上げてないリマスタ版 そんな変わってない
ill room (20170512)
とりあえずアシッドの音を出してうにょうにょさせたい、の一心で作ったテクノ。音はしょぼいけど2つ同時に出したら満足感がある。
実はLogicの初作からずっとGlitch2が手放せてない。バンブラ時代からのフィルインに異常に執着する癖が連綿と受け継がれている。
この曲もリトリガーを付点8分でかけっぱなしにする地帯があったり、アウトロに至っては耳に悪そうなスピードまでリトリガーの速度を上げ続けた上で、Glitch2内の別のエフェクトでノイズになった音をイジっている。そして最大速(256分)に到達した後にゆっくりフェードアウト。バグ感を出せたので個人的には気に入っている。
ill roomはのイルーム音楽から。この頃からバグ動画に造形の深いdj daekこと部長ことナニフツウ氏(これどこまで言っていいの)が定期的にニコニコで音楽大会を開催するようになる。この曲は「ジャンルの無い音楽会」という企画に寄せたものだった。(当時の募集ツイートとタグの様子)私はどうにも整った音楽ができてしまうので、界隈の雰囲気的にはもうちょっとにぶい感じの方がいいかな…と思いながらにぶめのテクノを作っていた。
きれぼし脳界隈の音楽作れる人、作ろうとしてる人が毎回そこそこ集まり、この頃の私にとっても定期的に締切が発生する存在が有り難く、割とつい最近まで積極的に参加していた。近々またやられるようだ。
実はこの音楽大会向けに投稿したもので、かつsoundcloudに上げるほどじゃないな…といった作品は結構な数ニコニコにだけ上げていたりするので、くまなくチェックしたい方はユーザーページを御覧ください。 いるなら
Withering (20180201)
これはジューク/フットワークを気にしながら書いたやつ。808と変な刻みとサンプリングがあればいいんでしょっていう怒られそうな解釈の下、そこ以外は普通に自分っぽく作りました。"大人"がテーマなので、もう枯れていく未来しか残されていないような寂しさをエレピっぴに当たり散らかしたら珍しくマイナーキーの曲ができました。音圧って何?
Redcompass氏が主催するFOGPAKというコンピレーション企画に参加した時のもの(#18と#20に参加)。ネットレーベルドハマリ期にお世話になった所に恩返しすっゾ兼、企画というものに参加する実績解除をしたい、という2つの目論みがありました。素敵な機会をありがとうございました。 ご結婚おめでとうございます(激遅)
実は前作があって、FrumというiOSアプリで遊んでた時に作ったFloweringという曲がそれです。Frumは変わり種のFMシンセ兼シーケンサー兼投稿掲示板みたいなソフト(運営終了済)で、自分も何曲か作って遊んでたら公式がおすすめ作者集的なのに載せてくれて嬉しかった思い出があります。素敵な機会をありがとうございました。(2)
11 in the ◇(utub◇ remix)(20180520)
音ゲーっぽくしたドラムステップ。原曲がボス臭を放っていたのでじゃあさらにゴシックにしちゃおという意気でストリングススタッカートとかチャイムとかチェンバロとか放り込んだら良い感じにハマってくれました。音ゲーに使うわけではなかったのでしれっと3分聴かせます。
音ゲーっぽいベースドロップは音作りの拙さに目を瞑ればそこそこちゃんと構成できることとかに気づけたのは良い収穫でしたが、これ以降そういうのを作った記憶がない。やりた〜〜〜〜〜い やれ
あとメロディーの借用が楽しい。もっと二次創作とかやればいいのに やりた〜〜〜〜〜い やる
作曲仲間のchip氏が互いの曲リミックスしようぜと持ちかけて来てくれたのが制作のきっかけ。彼は前述の1 to 2(正確にはそのセルフリミックス版)をアートコアにリミックスしてくれた。後半でメロディーに対してコードが倍取りで流れるけど違和感が無いのが良い。全体的にまず私がやらないようなアレンジを施してくれて、それだけでちょっと感激できるんだなあと感じた。
delivaa woomii (20190123)
にじさんじライバーの宇志海いちごちゃんに宛てて作ったBGM。当時冬の装いだったので寒さと温かみと子供っぽさが一緒に表現できてたらいいな、といった感じ。"デリバーウォーミー"という原題に対して、ローマ字読みと英語表記をまぜこぜにした結果謎言語になったし、そもそもwarmyという言い方があるのか知らない。雰囲気雰囲気。
ポケモンDPっぽさがあるとの感想を頂いたことがあるが、思い当たる要素としてはファインピッチと1/12のディレイあたりかなと思う。私は化石掘りしかしてなかった。
当時いろんなライバーさんに向けて作る心持ちでいたので(結局いちごちゃんだけになった)、それぞれのキャラクターを音で出したいな〜と考えていたが、作曲で人の精神性を表現するハードルの高さに日和った私は、じゃあその人らしさを感じる音を一個決めて使おう、というちょっと簡単な方法を代わりに考えたのだった。いちごちゃんの場合はトイピアノにして、いちごちゃん関係の創作には部分的にでも入れるようにした。(これとこれ)
ちょっと考えれば分かることだったが、このやり方は、悪く言えば風評被害のような必ずしも歓迎されない印象付けを楽器に与えてしまうので、このまま気乗りし続けないでいてよかったと思わなくもなかった。
単純に自分がその渦中にいたからそう見えただけかもしれないが、Vtuberの視聴者が創作を始める、あるいは再開する勢いは他のコンテンツより明らかに激しく感じられ、何か特異な魅力があるのだなあと感心していた。企画でもないのに二次創作を2曲も3曲も仕上げられた異常事態に私が陥ったのだからきっと間違いない。
Noctureverb (20200402)
SwitchのKORGGadgetで作ったやつ。ピッチ下げてどっしりさせたスネアとかシンセブラスとかミョンミョンしたベースで思いっきり古臭い感じにしたかった。この時Funkacityシリーズを聴いてたからだと思う。KORG製品のデモソングってこんなんじゃない?(偏見)
2:06の進行が出てきたのは個人的に奇跡の産物だった。ただの和音の平行移動(パラレルモーションって言うんですね)がマンネリを打破してくれることは多い。ボイシングをいじると神々しさすら出てくるし、レイブスタブみたいに扱えばアホアホになるような二面性が魅力的。
私は「作曲できるゲーム」に育てられたせいか、ゲーム機でやる作曲というものにしか刺激されないモチベーションのようなものがずっと存在している気がする。作曲始めたいけどDAWに敷居の高さを感じているなら私はこいつから始めるのも全然ありだと思っています。耳コピからやってみよう。
bibital orbital (20201104)
BMSのデカいイベントに出したエレクトロ。音ゲーならばと忙しいメロディー、(比較的)落ち着きのない展開、数を盛ったトラック等を重ねて頑張って密度の高い作品にした。一度使ったメロディーをちらほら使い回す(アニメの劇伴とかに多い)のが好きなのでこの曲は結構その手法を使っている。
Spireが扱いやすくてこの頃からよく使うようになる。理由はよく分からない。ベースの倍音の混ざり方が気に入っている。
実は作り始めた時期はもう一年ほど前で、とんすひとチュウニの公募が被っていた時にどっちかに出そうと考えていたのだが、その時は0:50から何も展開が降ってこなくて泣く泣く頓挫したのだった。
基本的にBMSは譜面とBGA(私の場合は超簡単なアニメ)まで自分で作るのだが、今回は一枚絵のBGIになったのが残念だった。BGAは2枚だけ使ってもアニメーションしてると映え方が全然違うので侮れない。
音と映像etc.の総合芸術みたいに考えると難しいけど、音ゲーのおまけですぐらいに捉えたものでも投稿するだけなら受け入れてくれるのでBMSは懐が広い…ように思える。
mgwsan_OP_ED (20211123)
Twitchでゲーム配信してるmgwsanさんからご依頼頂いて作った開始画面と終了画面に使うBGM。OPはちょこまかとした可愛い感じに、EDは寝る前のぼんやりした感じにしてみた。というかEDは似非ローファイヒップホップ。ジャンルの雰囲気の意識度はWitheringと同じくらい。ピアノトラックはお気に入り。
ローファイ感はRC-20に一任。別にローファイ用途じゃなくても単にちょっとしたエフェクトセットとして使い勝手がとても良い。あと見た目が良い。
気がつけば虹色UIのプラグインばかり重宝させているのである(Chromaverb,Glitch2,XO,RC-20,Manipulatorはよく使う)。無意識に見た目を重視してるのかもしれない。音質の違いとか本当に全然分からないし。おすすめ虹色UIプラグイン情報お待ちしてます
それまでBGMを想定した曲はいくつか作ったけど、音量バランス的にはしっかり聴かせるようなインスト楽曲のそれだったりして、場に馴染ませる気がないのでは!?と反省の末、今度はメロディーを引っ込ませ過ぎたかもしれなかった。音量バランスむっっっっず ミックスマスタリングだいきらい 編曲だけしたい
mgwsanさんは独特のゲームセレクトとしっとりしたお喋りが良いですね。最近人型のアバターを導入されたようです。美人〜
以上です。読んでくださったらありがとうございます。10年以上やったりやんなかったりで実質積んだ研鑽は頑張ってる人の2〜4年分ぐらいなのかなと思います。DTM歴何年とか訊かれたら回答に悩むやつです。せっかく長続きしてるし腐らすのも勿体ないからね、ぐらいの理由で続けてる活動ですが、今後も無理なくやっていきたいですね。